厳しい寒さと急斜面が育てる自生茶、天空の山茶
Q:すごく高い場所ですね。景色もいい。ここで天空の山茶を作っているんですか?
ここはよう人が見に来るんよ。見に来る人は、景色がえい言うて、1時間くらい座る。雲海も見えて、景色がいいのが評判。これが山茶。山茶がなんでおいしいかと言うたらな、この中にいろんなお茶があるんよ。昔からある自生のお茶が6種類。葉の形が全部違うだろ?こんな風に何種類もあって、ブレンドされとるけんおいしいんよ。もう60年あまり。木に苔が生えとるだろ?それだけ古いってこと。けんど強いんよな、昔のお茶は。今の品種のお茶はな、根が横に張っとるんよ。根が横に張るということは、干ばつらに弱い。けんどこの山茶はな、直根言うて、下向いて生えとる。ほんで枯れんのよなかなか。僕が高校上がって間なしくらいか、ここは全部やぶやったんよ。やぶを切ったらな、こんな、お茶ばっかりやってな、ほんで、お茶を育てたんよ。Q:やぶを切ったら、お茶の木があったということですか?
うん。自然のな。ほんで花が咲いて、実が落ちて。その実が増えて、だんだんな。そこからこんなに枯れんずくじゃけん。枯れんってことはやっぱり強い。気候にも強いってことじゃけんな。Q:天空の山茶、香りがけっこうありますよね。
他のお茶と違うだろ?香りがな。窒素を含んだ肥料になると、香りが消えてしまうんよ。ほなけん肥料やらんとな、有機質のものばかりあげる。Q:天空の山茶は、1年でどれくらいの量が取れるんですか?
1年に250キロくらい。その中から2割の50キロくらいが販売できるお茶。三好市以外でも、東京や大阪でも取り扱ってもらったり、賞をもらったこともある。県土産名物品でも、全国500のうち徳島県は4つ。そのうちの一つに選ばれた。三好市に旅行で来て市内のお店で天空の山茶を買った人からも、帰った後に注文のFAXが届いたこともあるんよ。