清流の傍で育つ無農薬のお茶、確かな安心
Q:すごく素敵な場所に製茶所がありますね。
先祖がここに来たのがおそらく江戸の中頃。家とお茶の畑の回りに小さい川がぐるっと曲がってあるでしょ。だから名字が曲ゆうんや。あの川は水が綺麗でうなぎや鮎が捕れるよ。昭和40年位までは畑で蕎麦や麦や大豆を作っとった。大豆で味噌も作っとったし、鶏も飼うとって雑穀を餌にしとったけん、美味しかったよ。今作っているお茶はやぶきた種という静岡のもの。煎茶用の品種やな。Q:山城町は茶畑が沢山有りますが、特徴はありますか?
三好市の中でも山城町がお茶の生産量が一番多いよ。この辺りの温度と湿度がお茶には丁度いい。山やから温度差があるんと、秋から春頃まで朝に霧が降りるけん、お茶の葉っぱが香りが出やすくなる。あと、この辺りの山は虫が出にくくて、殺虫剤がいらん。私らは昭和50年代に農薬を撒くのをやめたんや。うちが作っているのは完全無農薬。農薬を撒く自分たちのことも考えてな。Q:お茶の年間スケジュールを教えて下さい。
まず一番茶を5月初めに収穫して、5月末には加工する。加工は、まず蒸して、冷やして、乾燥させながら揉む。やはり一番茶が一番美味しいよ。次が6月末に二番茶を収穫して加工する。一番茶に比べてタンニンがちょっと増えて、渋くなる。最後に10月が番茶の収穫。Q:お茶の美味しいいれ方を教えて下さい。
煎茶はお湯を熱湯にせんと、60度位で蒸らしていれる。逆に番茶は熱湯でいれた方が美味しいよ。Q:お茶以外にもゼンマイも作っているんですよね。
この辺りのお茶畑よりもっと急な斜面は、ゼンマイを昔から作っとった。水はけがいいから急斜面での栽培が向いているんや。あそこの斜面にモノレールついとるやろ。ゼンマイ収穫したら乗せるんや。ゼンマイとお茶の収穫の4月5月は忙しくて、10人位に手伝ってもらうよ。ゼンマイは料亭用だと太いの、精進料理用だと細いのが好まれる。高知や中国から、うちにゼンマイの見学ツアーに来たことあるよ。