豊かな想像力を、小さな竹人形に込めて
Q:いつごろから竹人形を作り始めたんですか?
仕事を退職してから、十二年になります。今住んでいるところは田んぼや畑が無いから、何か始めようかと思って。徳島新聞で山城町の商工会が竹人形の講習会をやるっていうことで、行ってみたんです。作り始めてから、きちんと思う様に出来るまで3、4年はかかりました。最初は知り合いにあげたりしとったけんど、わけてくれと人から声がかかるようになって、いつの間にか売ることになったんや。Q:今は注文を受けて作るんですか?
いやいや、自分でこれがええという思いつきがあって、それを形にして作っとる。一番人気があるのは、踊り子が10人いる阿波踊りの竹人形かな。最初は阿波踊りの写真とかを見て作っていたけんど、今は自分の思ったことを形にできるようになった。かずら橋、阿波踊り、お遍路さん、変わり種で船、ラフティング、思うたら何でも。材料は竹の節が綺麗なゴサンタケ。Q:作る時に一番苦労する点はありますか?
細い竹を曲げる時かな。折れたりするもんじゃけんね。ランプでやったり、ろうそくでやったり、線香でやったり、色々試行錯誤して作ったな。今は電気ゴテで曲げとる。慣れてきたら大丈夫。最初に胴を作って、それから足をつけて、頭をつけて、手をつけて、飾りをつける。小さいもんじゃけに、拡大鏡でもつけてやらんとできません。あと難しいのは、人形の首の細い所を削るときやな。最後の仕上げやし、失敗したら全部が駄目になる。Q:作っていて楽しい点はありますか?
一個一個が全て手作りでちょっとずつ違うので、出来上がって仕上がりを見るのが楽しいな。Q:これから新しく作りたいというのはあります?
今作っとるやつで、竹を色粉で染めてな、初めてやっとる。踊り子の服が色んな色があったら面白いかと思ってな。今度は藍で竹を染めてみたいなあ。